女性の自立と働き方改革

女性の自立と働き方改革/陽子のアナログ経営学
第1節 アルバイトでの仕事
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アルバイトの応募
8月の上旬、近所のスーパーに行ったとき、地域の掲示板にアルバイト募集のポスターが貼ってありました。ポスターは、A4版の自作のようです。
募集をしているアルバイトは、毎週火曜日の午後2時半から5時半までの3時間です。アルバイトの期間は、9月から12月までの15回と書かれています。11月までは週に4回、12月は3回のようです。
賃金は、3時間で8,000円です。その賃金には、通勤手当と勤務前後の10分間の手当を含んでいると書いてありました。作業をする3時間の時給は、2,000円ほどと思われます。
仕事の内容は、資料の整理、1階水回りの掃除、そしてセミナーの見習い参加です。セミナーのテーマは、『女性の自立』と『働き方改革』と書いてありました。
応募条件は、禁煙者であること、積極的に行動できること、そして、20才から40才までの女性です。

私は、『女性の自立』と『働き方改革』というセミナーの内容に興味がありましたので、ポスターをスマホで撮影して帰ってきました。アルバイトをするのは、『NK可能性研究所』ですが、この『可能性』という言葉にも興味がありました。
私自身は結婚後の暇つぶしでパート勤めをしていますが、責任を負わない仕事の繰り返しで、少し不安になっていたところです。それで、自分に新しい空気を吹き込もうと考えていたところでした。
採用されるのは3名と書いてありましたので、早速電話をしてみました。電話の相手は、落ち着いた対応の年配の男性のようです。私は、3番目の応募で、先着順に面接をしてくれるようです。8月の第三火曜日の午後2時半から20分ごとに面接を設定しているらしく、私の面接開始時間は、午後3時10からです。

8月の第三火曜日の午後3時に指定された場所に行きました。
住宅の一室が事務所のようで、そこで面接が行われているようです。玄関前に到着すると、玄関ドアに張り紙がありました。『面接の方は、玄関ドアを開けて、中にお入りください!』と書いてあります。
アルバイトをするのは、『NK可能性研究所』と言い、個人事業の研究所のようです。
廊下の椅子に座っていると、面接を終えた女性がほっとした様子で事務室から出てきました。

「恵利さん、お入りください!」と、私が呼ばれました。
「はい!」と返事をして、ドアを開けて室内に入りました。
面接者と対面した椅子に座る前に、履歴書を渡そうとしましたが、「履歴書は、採用されたときにいただきます!」と言って、受け取りませんでした。
面接をしてくれたのは、鈴木さんと言う方です。

面接での質問は、いくつかありましたが、記憶に残っているのは、2つです。
一つ目の質問は、「お酒を飲みますか?」でした。
私は、「お付き合い程度であれば、お酒をいただきます。でも、実際には、好きなほうかもしれません。」と答えました。
次は、「この質問は、答える義務はありません。支障があれば、答えなくても結構です。」と言って、次のような質問をしました。
質問は、「あなたは、セックスは好きですか?」でした。
緊張していましたので、私は、「セックスは、とても好きです。でも、結婚をしてから以降は、3年ほどご無沙汰です。」と答えてしまいました。
鈴木さんは、「あなたは、とても可愛いですね!正直でいいですね!」と言ってくれました。

面接が終わって、翌日、或いは明後日に採否の連絡をいただけるようです。
私は、希望する連絡の時間を鈴木さんに伝えました。

希望した時間に鈴木さんから採否の連絡がありました。無事、採用されました。

その後、「あなたは、セックスは好きですか?」と言う質問について、特に気になりました。「支障があれば、答えなくても結構です!」と言われたものの面接してくれた鈴木さんは、セクハラの指摘を特に恐れていたように思います。でも、セクハラの指摘をされる危険性があるのに、なぜそのような質問をしたのか疑問が残りました。
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短期アルバイトの初日
9月の第1火曜日です。
アルバイトとして採用されたと思われる3人が鈴木さんのお宅の玄関前に、午後2時半の少し前に集まりました。
面接のときと同様に、玄関ドアに張り紙がありました。
『アルバイトのお仕事で来られた方は、玄関ドアを開けて、事務室の中でお待ちください!』と書いてあります。私たち3人は、お互いに名前を名乗り合いました。
小さな声で雑談をしているとき、鈴木さんが事務室に入ってきました。

≪中略≫

「理沙さん、ありがとうございました。
質問や意見は、ありますか?」

「陽子です。
理沙さんは、税金の無駄使いに強く意識が向いているように感じます。
私も、似たような考えを持っています。私たちは、政府や行政に頼り過ぎているような気がします。それを企業が利用しているのだと思います。その結果が、格差の拡大だと思います。企業は、大切な社員教育を他人任せにし、懐を膨らませています。しかし、労働者の賃金は、安いままです。これでは、ますます格差は拡がります。
格差が拡がると、底辺では犯罪が多くなります。その日の食べ物が手に入らなければ、他人の物を奪うようになります。そして、住みにくい社会になってしまいます。
私も理沙さんがおっしゃるように、労働者を利用しての税金の無駄使いはやめて欲しいと思います。必要な『リスキリング』は、自分自身で考えて行えばいいと思います。」

「陽子さん、ありがとうございました。
恵利さんからは、ありますか?」

「恵利です。
私も、税金の無駄使いには反対です。そして、大企業を相手にした補助金も、反対です。ただ、これらのことを許しているのは、私たちです。私たちが、情報を得て、学んで、的確な判断を下すことが必要と思います。
そして、政府だけでなく、私たちにしても、長期ビジョンを明確にする必要があると思います。長期ビジョンが明確でないために、その場その場で、有力な企業や政治家に利用されてしまうのです。
『リスキリング』に関する政府の施策に似たようなことは、今後も行われると思います。『旅行支援』なども同じと思います。実際には、旅行に行けない人もいるのですから、ある種の差別だと思います。得をするのは、旅行業界といつでも旅行に行ける裕福な人たちです。
愚痴や不満になってしまいましたが、できれば、『愚痴や不満を言わなくてもいい社会!』を目指した生き方をしたいと思います。」

「本日は、1回目のセミナーの練習をしました。
今後もこのような感じで進めていただければと思います。
お疲れさまでした。」
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